『マルシャック』の作品の特徴は、色のコントラストと流れるようなラインの美しさ。また、世界で1点、もしくは色違いで5点だけという究極の限定品でも知られており、そのルーツはロマノフ王朝時代のキエフ、そしてアールデコ全盛のパリへと遡ります。


『マルシャック』は1878年、若く才能豊かな職人、ジョゼフ・マルシャックによってロマノフ王朝時代のロシア領キエフで創設されました。1917年のロシア革命以前はロシア南部で最も有名な宝飾店としてしられていましたが、革命の騒乱のさなか1918年にジョゼフが亡くなり、一家はロシアを後にしてパリへ移り住むこととなります。

その後ジョセフの息子、アレクサンドルがパリ市内に店を開くと、彼の作品はまたたく間に評判を呼び、目利きのコレクターたちが競って買い求めるようになりました。1925年に開催された通称「アールデコ博」とも呼ばれるパリ万博では、アレクサンドルの作品がグランプリを受賞しています。


第2次世界大戦後は『マルシャック』の伝統とクオリティを保ちつつ、海外へも進出。ロシア芸術の影響を色濃く反映したエレガントなデザインはまさに芸術品と呼ぶにふさわしい品格をたたえ、ジャクリーン・ケネディなどの多くのセレブを魅了。各国の王室からも宝飾品やオブジェの注文を受けるほどでした。

その後沈黙の時を経て再び『マルシャック』の名を現代に蘇らせたのは、創設者の孫にあたり、整形外科医として成功したダニエル・マルシャック博士。芸術面のクリエイションをマルシャックの哲学を受け継ぐベルトラン・ドゥゴミエに一任し、97年に新しいコレクションを発表。21世紀のプレステージブランドとして、新たな歴史の第一歩を踏み出したのです。